思考機械としてのパソコンを、ワープロ機能中心に述べてきたが、私自身の考えでは、パソコンで一行も文章を書かなくても、これを立派な思考機械、情報収納機(U頭脳の記憶ボックスの代替)として利用できるのである。
つまり、膨大な情報を収納する個人図書館・情報館をパソコン一台が演じるというわけだ。
こんなことは、つい最近まで夢のようなことだと見なされてきた。
しかし、実現したのだ。
ますます、高速度で進化しているのだ。
「情報」)は、字義通り、フォーマル(定型的)なものの否定を意味する。
だから、データや資料は、それ自体では意味をもたない、方向性をもたないものであると定義されてきた。
しかし、パソコンに集積されたデータや資料は、不定形で、意味や方向性をもたないものであろうか。
そうではないと言ってみたい。
というのも、そのデータや資料は、繰り返し使用されることによって、加工、再加工され、有意味と方向性をもつ「知識」に変換するからだ。
頭の中で考え、紙で書いている間は、つまり、データや資料を一つの有意味性と方向性をもった文脈の中に置かなければ、「外部」にあるインフォーマルなものにとどまっただろう。
しかし、パソコンでは、「情報」は、すぐに「引用」や統計的処理によって、一つの文脈の中に置き換えられ、「知識」化されていくのである。
私は、むしろ、情報から知識化の流れで、パソコン活用のことを考えるよりは、知識がどんどん一つの意味と方向をもった文脈を離れて、まったく異なった文脈の中で活用され、したがって、情報化していく傾向を注目したい。
それも、知識の情報化によって、断片的な知識やマニュアル的思考しか流通しなくなったという否定的見地からではない。
知識が、さまざまな文脈に置き換えられ、再利用され、まったく新しい意味を獲得していくのだという肯定的意味で考えていこうと思っている。
いつでも「進化」思考でいきたいのだ。
「反動」思考(昔のものはよかった)で今市販されている「電子ブック」を、専用のプレーヤー、あるいはパソコンで活用すると、その便利さははかり知れない。
知的活動がスピードアップ、バージョンアップすることは間違いない。
現在、市販されている「電子ブック」は、「オリジナル」U「書物」の「コピー」(CD)である。
例えば、「広辞苑」(第四版)は書籍のほうが一二○○○円で、電子ブックのほうが八二○○円である。
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